わいん酒工房とだや
〒174-0045
東京都板橋区西台3-26-19
アクセス:
・東武東上線
東武練馬駅下車 徒歩約10分
・東武練馬駅前バス停
(AEON入口下)より浮間舟渡行
徳丸町バス停(徳丸一丁目交差点)
下車すぐ
Tel:03-3932-4440
営業時間:10:00~20:00
定休日:木曜
未成年者に対しては酒類を販売致しません
今年のヌーヴォーのご紹介 情報が届き次第お知らせいたします。
左上の写真・・2014年、当店を訪れた折にプドウさんご夫妻 とパチリ。 左の写真・・・2013年、プドウさん(右)とお婿さん(左)。 右の写真・・・1998年、出会って間もない頃のプドウさん。 まだスリムでした。
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 | ラ・トゥール・ボワゼ ヌーヴォー誕生秘話 思い起こせば19年前の1996年6月、“南仏に面白くて、すごい男がいる” というフランス在住の日本人の友人からの情報を頼りに、仲間6人でラ・トゥール・ボワゼのオーナー、ジャン・ルイ・プドウ氏に会いに、南仏ラングドックのミネルボア村を訪ねました。彼はプドウ家のお婿さんで、電気技師でした。奥様(マリクロードさん)のお父様がドメーヌ(ワイナリー)の経営者としてワイン造りに励んでおりました。 |
当時南フランス・ラングドック地方といえば、ワインを生産しては大手に売るという下請け的ドメーヌがほとんどで、プドウさんの家もそうでした。良いワインができても結局買い叩かれてしまい、嫌気が差して先代はドメーヌを止める決心をしたそうです。
そんな折、広大な畑を前に 「何で止めちゃうんだろう、もったいない」 とプドウ氏は単純に思ったそうです。
「じゃ、俺がやってみるか」 と思い立ったといいます。それからです、彼の苦労が始まったのは・・・。
電気技師をスパッと辞め、ボルドー大学に2年通いました。
帰って来てまず最初に取り組んだのはぶどう樹の植え代えでした。「やるからには自分の銘柄として売るんだ」という思いでした。
しかし現実は簡単なものではありませんでした。周りからは、「あの婿さんは何をやってんだ?」 とか、「この地でそんなことしたって売れるわけがないよ」 という強いバッシングだったといいます。それをじっと支えたのがマリクロード夫人でした。奥様にはかなりの苦労をかけたそうで、その思いもあって、今彼の造る最高
キュべのワインには、“ラ・トゥール・ボワゼ キュべ・マリクロード”として奥様の名前が付けら
れています。
さてヌーヴォーの 話になりますが・・、私どもが訪ねた最初の晩、プドウさんの造るあるワイン(ラ・トゥール・ボワゼ マリエール・エ・フレデ リック)を飲んで、その味わいがボージョレのヌーヴォーを彷彿させるものがあり、誰となくプドウさんに 「ヌーヴォーを造ってみてくれないか」 と聞いてみました。すると即答、「ノン!」(いやだ)でした。理由はひとつ、「この地でそんなものを造ったって、飲む習慣もないし、誰も買ってくれないよ」というものでした。
私たちはあきらめ、日本に戻りました。そして数日後連絡が入りました。なんと「造ってみてもいいよ」とのこと。なんという心境の変化・・? 訳はこうでした。「“造ってくれた分全部買うから”といってくれたことがその気にさせた」 ということです。仲間の誰が「全部買うから」って言ったのかよく覚えていないのです。何せオーナー含め全員がかなり酔っ払っていましたので、誰が言った言葉なのか記憶に無いのです。
こんないきさつで誕生した友情のワイン “ラ・トゥール・ボワゼ ヌーヴォー” 。そして届いたボトルには何と・・・ラベルが張ってありませんでした。裸のボトルで日本に来たのです。説明しながら買っていただいたのが昨日のことのように思い出されます。ラベルが完成したのは3年目。驚きでした。ラベ ル中央に“Japon”の文字が見て取れます。そうですこのヌーヴォーはすべて日本に運ばれて来るのです。今年で20年目。我々の期待を裏切ることなく、毎年すばらしいヌーヴォーを届けてくれます。何より現地の人も飲めない代物なのです。数年前に「少しだけ現地の人にも分けてほしい」旨、オーナーから打診があり、分けてあげることにした、そんな特別な “ヌーヴォー” です。
またこのヌーヴォーは完熟のシラーとメルローを主としてブレンドして造られ、凝縮した果実味が魅力です。そして「出来立て」、「2~3ヵ月後」、「半年後」、「1年後」とその都度表情を変え、いろいろな顔を見せてくれます。そんな楽しみもできるワイン。1年に1度だけ生産されるこのワイ ン、そんな訳で皆様ケースでご注文を下さるようになりました。この機会にぜひ飲んでみてください。ちなみに今年は完熟のメルロー100%です。
2015年11月